小学生のお子さん達がプログラミングを学んで作り出したプログラムのファイルは、Raspberry Pi から取り出して他のPCから参照したり保存したりすることができます。
このことについて書きます。
USBメモリを使って取り出す方法
一番簡単な方法は、USBメモリを使って取り出す方法です。
普段、Windows PCで使用しているUSBメモリを Raspberry Pi のUSBポートに差して、そのUSBメモリに Raspberry Pi から取り出したいファイルを書き込みます。
この記事では、Raspberry Pi 3 model B+をおすすめしていますが、この機種ならUSBポートが4つついています。これを利用します。
普段 Linux PC をお使いでしたら操作はよくご存知だと思います。ここでは、普段は Windows PC を使用されている方向けに、簡単にその方法を説明します。
手順は次の3つです。
- USBメモリをマウントする
- 取り出したいファイルをUSBメモリに書きだす
- USBメモリをアンマウントする
1.のマウントという操作は、Windows PC を普段使われている方にはあまり馴染みがないかもしれません。
一般に、Raspberry Pi で Linux 系の OS を使用する場合、このマウントという操作が必要になります。
コマンドラインで実行する場合、
1 | mount /dev/sda1 /mnt |
といった文字列を打ち込むようにと書かれているのをよくみかけると思いますが、この操作のことです。
ただし、このサイトで紹介している Raspbian などを使用している場合は、自動的にマウントしてくれるので、この操作が不要になっていることもあります。
すぐにファイルマネージャーが開くことでしょう。
マウントという操作はこの場合、USBメモリの中身を特定のディレクトリ(Windowsでいうところのフォルダ)に、いわば”紐付ける”操作です。
上記の文字列でいうと、/dev/sda1 という名前がつけられたUSBメモリ(デバイスファイルと呼ばれています)を /mnt というディレクトリに紐付けるわけです。sda1という名前は、USBメモリを挿すたびに変わることがあります。
この操作を行うと、USBメモリの中身が、マウント操作で指定したディレクトリの下に見えるようになるのです。
ディレクトリに見えるようにしたあとは、そこに対して、ファイルを書き込んだり読みだしたりという操作が自由にできるようになります。この状態にしてから、作成したプログラムをUSBメモリにコピーします。
コピーが終わったら、3.のアンマウントの操作を行います。Windows PCでもUSBメモリを取り出す時に、画面の右下のUSBアイコンから取り出し操作をしますが、それと同じです。
1 | umount /dev/sda1 |
といったコマンドで操作するのですが、これも同じくRaspbianなどを使用していると、GUIから操作できるようになっています。
USBメモリに取り出したあとは、PCから通常通り読みだすことができます。これで、PCから参照したり、HDDなどにバックアップしたりすることができるようになります。
ネットワーク経由で取り出す方法
USBメモリを使用する方法以外に、ネットワークを利用して Raspberry Pi の中身を参照することもできます。
これはいろいろ準備が必要になりますので、また別の機会に紹介しますが、例えば Raspberry Pi で Samba サーバーと呼ばれるサービス(ここではプログラムと思ってください)を立ち上げ、しかるべき設定を行い、Windows PCと同じネットワークの下につなげると、Windows PCから共有フォルダとして Raspberry Pi の中身を参照することができます。
こういう環境を整えておくと、Raspberry Pi からファイルを取り出したり、Raspberry Pi ファイルを書き込んだりすることが、この共有フォルダを介してできるようになります。
他には、いわゆるFTPソフトを使う方法もありますね、Windows PC 上でFTPソフト(クライアント)を立ち上げ、Raspberry Pi 上でFTPサーバーと呼ばれるサービスを起動しておくといった準備をしておくことになります。
先にも述べたとおり、具体的な方法は別の機会に説明しますが、こういった手段があるということを知っておいていただければと思います。
SDカード自体から取り出す方法
最後に、Raspberry Pi に差し込んだSDカードそのものから、プログラミングで作成したファイルを読み出すという方法です。
あまり需要はないかもしれませんが、こういったことももちろん可能です。
Raspberry Pi 上で作成したプログラム等のファイルは、すべてこのSDカード上に保存されています。
ですから、Raspberry Pi をシャットダウンして電源を切ってから、このSDカードを抜き出してPC上で読み出せば、そのファイルは当然読み出すことができます。
ただし、通常はext4というファイルシステムで書かれていますので、Windows PC からは読み出すことができません。Linux PC など、ext4ファイルシステムにアクセスできるPCから読み出す必要があります。
普段から Linux PC をお使いの方なら、このあたりは説明不要ですね。mountして普通に読み出せばよいのです。パーティションが2つ作成されていると思いますが、1つが/bootにマウントされるパーティション、もう1つのパーティションがそれ以外で、/homeはこちらに入っています。
まとめ
Raspberry Pi でファイルを取り出す方法として、以下の方法があります。
- USBメモリを使って取り出す方法
- ネットワーク経由で取り出す方法
- SDカード自体から取り出す方法